【助成報告】阪田知樹さん(第4回福田靖子賞)をヨーロッパのマスタークラス・演奏会へ派遣

阪田知樹さん(2009第4回福田靖子賞)を、2013年9-10月にヨーロッパの各国の演奏会およびマスタークラスへ派遣いたしました。阪田さんからレポートが届いています。


<レポート> 今回は、私にとって初めて移動を繰り返しながらの1ヶ月半弱にも渡る長期ヨーロッパ演奏修行旅行となりました。 

スイスからリヒテンシュタインでのマスタークラス後、チェコの音楽祭に入り、リサイタル・室内楽・協奏曲の舞台を務め、オーストリア、ハンガリー、イタリアを経て、勉強も重ねながら、ルガーノでのベートヴェン・リサイタルに向かいました。ベートーヴェンのソナタ4曲のみでリサイタルを行うことの難しさはもともと覚悟していましたが、準備を重ねる毎に、舞台への好奇心が生まれ、挑戦的なアプローチも恐れず、思い切って表現してみたくなりました。昨年5月にもドビュッシー・リサイタルで、演奏させて頂いたホールでしたが、音響効果の為のリニューアルをされたそうで、印象が少し違いました。私自身の演奏も変わってきていたからかもしれません。ホールには以前よりも沢山の方々が集まってきて下さり、大きな拍手と喝采に驚きを隠せませんでした。アンコール時も皆さんがとても関心を持って聴いて下さっていることが伝わってきました。舞台を踏ませて頂く毎に新しい発見があるーそんな瞬間でした。 

続く、ジュネーヴの受賞者演奏会でも、昨年2月にリサイタルをさせて頂いたホールでしたが、こちらも偶然にもリニューアルされたばかりで、歴史を感じる趣のあるホールに新しい技術の加わった素晴らしい空間に生まれ変わっていました。会場には入りきらないほどのお客様にいらして頂けて、ホール一杯に広がるまろやかな響きに包まれ、音の隅々まで楽しみながら、演奏できる素晴らしい一時となりました。「2月にも聴きに来ていたのだけど、進化してるし、次は日本にも聴きにいかなくては!」多くの現地の音楽愛好家の方々に声をかけて頂けて、前回の演奏も覚えて下さっていたことは何よりも励みになり嬉しかったです。残念に思ったのは、「もっと話したいのに、フランス語は話さないんだよね。」と漏らされた方が想像以上に多かったことでした。私もその土地で演奏するからには、その土地の言語ももっと学ばなくてはならないと気づかされました。今後は言語も更に勉強したいと思いました。ラジオ局放送のコンサートは、打って変わって近代的な設備のホールでした。こちらもフランス語での紹介、インタビューなどで緊張しましたが、様々な環境の変化の中でも柔軟に対応しながら臨む舞台の数々、本当に良い経験になりました。今後に生かせるように、また新たな気持ちで引き続き研鑽を積んでいきたいと思います。

ありがとうございました。(阪田知樹)