2016年の夏休み、音楽祭と講習会に参加する機会をいただきポーランドとオーストラリアに行って来ました。
ポーランドでは昨年のワルシャワ、ナウェンチェフに続き今回は初めてクラクフを訪れました。クラクフはポーランド王国時代の首都だった場所で、歴史ある都市の一つです。
滞在中あまり観光は出来ませんでしたが、それでも毎日通った音楽大学の近くにある旧市街、中央広場までの公園や綺麗な街並みをのんびり歩いたり 広場で行われていたフェスティバルや出店を楽しんだりもしました。
音楽大学では毎日レッスンが行われ、練習室も充分に使えました。そして、1日おきに演奏会に出演する機会をいただきました。
クラクフ中心地以外にもパデレフスキーミュージアムやシェンキェヴィッチ宮殿など、郊外まで移動し到着後すぐに短いリハから演奏会が始まるというハードなスケジュールも経験し肉体的にも精神面も大変でしたが、ポーランドの聴衆の皆様の温かい拍手で迎えられたことはとても嬉しく、スタンディングオベーションや演奏後にはたくさんの方々に声をかけていただけて演奏家としての喜びを身体全体で感じることができました。
また、音楽祭期間中、レッスンやコンサートの他に受講生の皆と先生方と全員でディスカッションをする時間なども設けられました。演奏家としての舞台に対する意識から日常生活を過ごす上でもどの様にインスピレーションを高めるか?など、いろいろな国から集められた同世代のピアニストたちとの対話はとても貴重な時間となりました。また、各国における音楽教育についての意見交換もあり、考えさせられました。
オーストラリアは今年もザルツブルグでの講習会に参加しました。
2回目の参加ということもあり落ち着いた日々の中、密度の濃いレッスンと演奏会への参加も楽しく過ごし期間中ウィーンにも足を延ばしました。
今回のそれぞれの滞在は、レッスンから学ぶことはもちろんたくさんありましたが、それ以上にもっと幅広い意味合いで、音楽に対して考える機会をたくさん得ることが出来ました。
すぐに答えが出るものばかりではないかも知れませんが、これからも音楽に向き合い、たくさんの人々との触れ合いを大切に、人間的にも音楽的にも成長していけるよう精進してまいります。
このような機会を与えてくださりありがとうございました。
中川真耶加