【派遣報告】稲垣拓己さん、国際音楽祭ヤング・プラハ(チェコ)へ派遣

2015年度に、第69回全日本学生音楽コンクールピアノ部門中学の部で全国大会第1位を受賞し、同コンクールに当財団から提供している「福田靖子賞」奨学金を受賞した稲垣拓己さん(現在、東京音楽大学付属高校ピアノ演奏家コース・エクセレンス在学中)より、国際音楽祭ヤング・プラハ参加に使用したとの素敵なご報告をいただきましたので、レポートを掲載いたします。

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全日本学生音楽コンクールの「福田靖子賞」(海外渡航補助奨学金)を第26回国際音楽祭ヤングプラハの参加に利用させていただきましたので、お礼方々ご報告させていただきます。

ヤングプラハではファイナルコンサートを含む3つの公演で演奏しました。リトムニェジツェ/マーハ劇場リサイタル。ここから僕のヤングプラハはスタートしました。芸術性豊かなプラハのお客様に喜んでもらいたい一心でとにかく感情をこめて精一杯演奏しました。小学生のころからの夢だったヤングプラハでついにリサイタルができた喜びで無我夢中でした。最後のサン・サーンスのトッカータを弾き終えた瞬間、一斉に立ち上がり日本から来た無名の高校生ピアニストを、拍手とブラボーで何度も迎えてくれたお客様の光景が、今でもはっきりと目に焼き付いています。言葉は通じなくても、音楽を通じて思いが伝わった瞬間を一生忘れません!

翌日はプラハ日本人学校コンサート。僕にとっては不慣れなトークコンサートでしたが、
半年前まで中学生だった僕を、同年代の演奏者として全校で大歓迎してくれました。小学1年生の小さい子から中学生までのみんなが最後まで一生懸命に聴いてくれたことはとても励みになりました。
プラハ日本人学校で1つ年下のヴァイオリニストHana Changと演奏できたことも楽しくかけがえのない経験でした。彼女とはファイナルコンサートでも会いましたが、お互いに同じ思いだったことがわかり、いつかどこかで再び共演することを約束して米国と日本にそれぞれ別れました。

ドヴォルザークホール
ファイナルコンサートでは国民劇場オーケストラとモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏しました。プラハはモーツァルトが好んで滞在し何度も演奏した町であると知り、モーツァルトのピアノ協奏曲の中で僕が最も美しいと思う第17番をどうしても弾いてみたいと思いました。
リハーサル会場はドボルザークがヴィオラ奏者を務め、スメタナに直接指導を受けた時期もあったという国民劇場。ネオルネッサンス様式の豪華な外観と華麗な内装に目を奪われ、日本では感じたことのない独特の空気感の中でリハーサルが始まりました。
指揮者は24歳のチェコ人で、僕と同じく今年のヤングプラハの出演者です。僕の意見を尊重してどんどん取り入れてくれました。英語でのやりとりは新鮮そのものでした。
ファイナルコンサート会場は、同じくネオルネッサンス様式のドボルザークホール。モーツァルトやチェコの偉大な音楽家たちが実際に歩いたプラハの美しい街並みとホールの繊細で壮麗な装飾が曲のイメージと重なり、心をこめて演奏しました。オーケストラの奏者から「Beautiful Mozart!」と話しかけていただいたときは、本当にうれしかったです。
国籍や楽器を越えた音楽仲間との交流。プラハの芸術、文化、歴史を直接肌で感じたこと。ヤングプラハでのすべてが勉強になりました。

指揮者の方と
援助くださった「福田靖子賞基金」に感謝し、これからも精進していきます。     

2017年10月 稲垣拓己