田口尊啓さん:全日本学生音コン「福田靖子賞」奨学金によるピティナJr.G級参加報告
2024年11月7日木曜日
2023年度の全日本学生音楽コンクール全国大会中学の部第1位受賞者である田口尊啓さんに、「福田靖子賞」として奨学金を授与しました。この奨学金で、田口さんは2024年「ピティナ・ピアノコンペティションJr.G級」に参加し、見事金賞を受賞されました。田口さんより、奨学金を用いてJr.G級に参加したレポートが届きましたので、ご紹介します。
今回、「全日本学生音楽コンクール」の副賞として「福田靖子賞」奨学金をいただき、公益財団法人福田靖子賞基金の皆様とご相談して、ピティナ・ピアノコンペティションJr.G級のエントリーのために使用させていただきました。奨学金をいただきましたことを、福田靖子賞基金様に心より御礼申し上げます。
Jr.G級の予選は、4月20日に、桐朋学園大学の調布キャンパスで行われました。予選会場は100人程が入る大きな教室でした。会場は、ホールに比べると、演奏者と審査員の先生方や客席との距離が近いので、とても緊張しました。本番は焦った演奏になってしまい、結果発表までずっと不安でした。夜8時に帰りの新幹線で予選通過の結果を知った時は、今までの予選通過の中で一番嬉しかったです。
マスタークラスは、6月22・23日の2日間、予選と同じ会場の桐朋学園大学の調布キャンパスで行われました。15人の受講生が5人ずつ3つのグループで、ヘンリ・シーグフリードソン先生のマスタークラスと古屋晋一先生のワークショップを受講しました。また、習ったことを復習するために練習室での個人練習時間もいただけました。
僕は、ハイドンの「アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6」を先生方に教えていただきました。シーグフリードソン先生からは、様々な表現方法を教えていただきました。フレーズの構成を細かく教えていただき、それぞれの和声を常に感じ、その和声にあう音色、歌い方で演奏することを意識できるようになりました。古屋先生からは、演奏時の身体の使い方を教えていただきました。背中の筋肉や肘の使い方を工夫することで、脱力した状態で、それぞれの声部の音色や音量のバランスを調整しながら弾けるようになりました。先生方からは、この他にもたくさんのことを教えていただきました。すぐに習得することが難しいこともありましたが、先生方のお人柄、通訳の千田直子先生のお人柄のおかげで、和やかな雰囲気の中、学ぶことができました。
1日目の夜は、懇親会があり、保護者とは別のテーブルで受講生だけで食事をしました。ピアノの話や学校の話等をして、交流を深めることができました。また、2日目の最後には、修了コンサートがありました。共に学んだ仲間たちが、2日間という短い時間で先生方の教えを吸収して演奏する姿に感動しました。僕も、先生方から教えていただいたことを意識しながら演奏しました。
全国大会は、8月17日に、東京音楽大学のTCMホールで行われました。僕は最終グループだったので、会場に入ると、マスタークラスで仲良くなった仲間が既にたくさんいました。全国大会という緊張感もありましたが、仲間に再会できたことの嬉しさで、緊張しすぎることもなく落ち着いて演奏することができました。みんな、それぞれの演奏が終わると、駆け寄ってお互いの演奏を称え合い、とてもあたたかい雰囲気の全国大会となりました。
Jr.G級に参加し、素晴らしい環境の中で、先生方からのたくさんの教えと、僕が音楽を続けていく上でかけがえのない仲間と出会う機会をいただきましたこと、公益財団法人福田靖子賞基金とピティナの皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。