大山桃暖さん:第2回ケアロヒ国際ピアノコンクール参加レポート
2025年9月12日金曜日
私は2025年8月17日(日)~8月24日(日)にハワイ・ホノルルで開催された第2回ケアロヒ国際ピアノコンクールに参加いたしました。
<ホノルル到着>
8月14日(木)夜に日本を出発し、約8時間半のフライトを経て現地時間の同日朝にホノルルへ到着しました。空港からはボランティアの方に宿泊先であるハワイ大学キャンパス内「Lincoln Hall」まで送っていただきました。宿泊先はコンクール側が準備してくださり、全出場者が滞在しました。専用バスルーム付きの広々としたスタジオタイプの部屋で、大変快適に過ごすことができました。
練習室も出場者の人数分が用意されており、到着した14日から自由に使用できました。部屋によってピアノの種類や広さが異なり、自分の好きなお部屋を選べる点も魅力的でした。




<抽選会とオープニング>
翌15日(金)は午前に練習をし、午後からはクラブでオープニングランチと抽選会が行われました。 出場者は名前を呼ばれると前に出て自己紹介をし、用意されたハワイ柄の鉛筆を引くというユニークな方法で順番を決定しました。(鉛筆の先にある消しゴムに番号が書いています!)鉛筆は記念として持ち帰ることができました。

<ピアノトライアル>
16日(土)には本選会場「Orvis Auditorium」で30分間のピアノトライアルがありました。スタインウェイDの音色やホールの響きを十分に確認でき、とても貴重な時間でした。
<クォーターファイナル>
17日(日)~18日(月)はクォーターファイナル (30分のソロリサイタル) が行われ、私は18日(月)に出演しました。出番前には30分のウォームアップ時間があり、待機室には水や軽食が準備されていました。特にバナナが人気で、出場者の間で好評でした。
演奏後、アルファベット順に結果発表が行われ、幸運にもセミファイナルに進むことができました。



(写真:ケアロヒ国際コンクールより)
<交流とセミファイナル>
19日(火)の夕方には、ハワイ州元ファーストレディの邸宅に招かれ、参加者・先生方・関係者の方々と交流する貴重な機会をいただきました。温かいおもてなしに感激しました。
20日(水)にはセミファイナルに向け、2台ピアノでの伴奏合わせが1時間行われました。伴奏の先生はEri Kang先生と上仲典子先生のお2人おられて、私はEri Kang先生に演奏をご一緒いただき、翌21日(木)の本番では「プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番」を演奏し、ファイナル進出が決まりました。


<日本領事館・指揮者合わせ>
22日(金)は練習の後、日本領事館でのミニコンサートに出演し、ソロ曲を演奏しました。23日(土)は午前に指揮者Andrew Grams氏との30分の個別セッション、夜にはHawaii Symphony Orchestraとのリハーサルがありました。



<ファイナル>
24日(日)はついにファイナル当日。朝にゲネプロがあり、16時から本番が始まりました。私は3番目に演奏しました。約2200席の立派なホールで、客席から伝わる熱気に後押しされながら、思い切り音楽を楽しむことができました。
演奏後すぐに結果発表があり、光栄にも優勝することができました。




<滞在中のエピソード>
コンクール期間中の食事は主催者より日当をいただき、各自自由にとる形でした。私は「花の里/Hana no Sato」という店主が日本の方のお店に何度か足を運びました。店主様がとても親切にしてくださりYouTubeで私の演奏を観て応援してくださったり、本番前のルーティンであるカツ丼を特別に作ってくださったりと、温かい心遣いに触れることができました。

<おわりに>
今回が初めての単身海外コンクール参加でしたが、運営の先生方、伴奏の先生方、関係者の皆様、そして審査員の先生方に至るまで、多くの方々に温かく支えていただきました。気づけばあっという間に帰国日を迎えるほど、充実した日々を過ごすことができました。
また、この度は福田靖子賞基金様のご支援により、このようにかけがえのない経験をさせていただいたことに、心から感謝申し上げます。
さらに、日頃からご指導してくださっている芹澤佳司先生、芹澤文美先生のご指導があってこそ、この舞台に臨むことができました。
ここに深く感謝申し上げます。

大山桃暖